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第87回 歴史ある江戸前の街 千葉・木更津
これまで数多くの居酒屋を巡ってきた、居酒屋探訪家の太田和彦さん。
今回は、東京湾を横断するアクアラインの開通により、房総半島への玄関口ともなっている千葉「木更津」を舞台に、歴史ある港町の風景や建物、内房の海の幸などの魅力をお伝えします。
路地裏を歩くと、どこからともなく三味線の音色が。木更津はその昔、200人を超える芸者がいたといいます。今では千葉県で唯一となった見番で、稽古の様子を特別に拝見。奇しくも木更津の文化と歴史を知ることができました。
歩を進めるとレトロモダンな建物が現れ「金田リヒトミューレ」の暖簾。そこにはお洒落なアンティーク商品が並んでいました。ご主人の目利きで揃えた品揃えは、古き良きものを愛する太田さんの心をつかんだようです。
初めに訪れた料理店は、明治30年創業の老舗、『宝家』。美人女将でも有名なお店で、木更津のPR活動にも尽力しています。
勝山産の真鯛のお刺身は、漁師さんから直接買い付けた逸品。鯵のなめろうを加えて焼いたアサリの「さんが焼き」。さらには家庭料理から生まれたアサリの串揚げで内房の名物を堪能しました。
続いては2020年に開店した『すし処 つどい』。若い店主ながら料理の腕は有名店で鍛えたもの。一年足らずで地元の評判を博しています。
まずは釣りたてを漬けた、マルイカの沖漬け。次に富津産を使った煮穴子。思わず身体を揺らす太田さん、美味しさの証です。千葉勝浦の酒「鳴海(なるか)」は冷や良し、夏の燗酒もまたよしの辛口。米の味が濃厚な特別純米酒「木更津」は、太田さんいたく気に入った様子。店主おすすめの金アジのフライは絶品の旨さ。「わがアジフライ人生、最高のものに出会えました!」
昔と今が交差する港町で、郷土愛にあふれながら日々奮闘する居酒屋がありました。もう一度来たい街がまた増えました、と言わしめた名店の数々をご紹介します。
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