記憶の戻らぬ韓十一(かん・じゅういつ)を国子監で待っていたのは、侍女の金子(きんし)であった。十一を“元娘(げんじょう)様”と呼ぶ金子は、魏(ぎ)人との戦で元娘の父と弟は戦死し、皇太子による裏切りがその敗因となったと言う。楚湘月(そ・しょうげつ)からも似たようなことを聞かされたが、ところどころ話が異なる。誰も信用ならないと警戒心を強めた十一のもとに近づく足音が…。
記憶の戻らぬ韓十一(かん・じゅういつ)を国子監で待っていたのは、侍女の金子(きんし)であった。十一を“元娘(げんじょう)様”と呼ぶ金子は、魏(ぎ)人との戦で元娘の父と弟は戦死し、皇太子による裏切りがその敗因となったと言う。楚湘月(そ・しょうげつ)からも似たようなことを聞かされたが、ところどころ話が異なる。誰も信用ならないと警戒心を強めた十一のもとに近づく足音が…。