明治初期に日本の司法制度を整備した江藤新平の敗北から明日を生きるための教訓を探る。1834年、佐賀藩の下級武士の家に生まれた江藤は藩校・弘道館で大隈重信らに出会い、国家を論じる。江戸幕府が倒れ、明治新政府の一員となった江藤は四民平等を目指して奔走。司法省を設立し、司法卿に就任すると、全国に裁判所を設置し、検事や判事などの職務を定め、誰もが公平な裁きを受けられるよう、司法制度を構築した。
ところが、1873年、征韓論をめぐり、政権の中枢にいた大久保利通らと対立。江藤は政府を去り、日本初の政治政党を立ち上げる。そんな江藤を政府は危険人物と見なし、佐賀に鎮圧部隊を派遣。江藤は佐賀の乱を起こして戦うが、政府軍の圧倒的な戦力に敵わず、敗北。刑場の露と消えてしまう。江藤は明晰な頭脳を持ちながら、なぜ、佐賀の乱の首謀者となり、政府と戦うことになってしまったのか?
志半ばでこの世を去った江藤に対し、同郷の士・大隈重信はこんな言葉を残している。「江藤を失った国家は更に甚大なる損害であり、不幸であった」。1916年、江藤は明治政府時代に与えられていた正四位を追贈され、ようやく名誉回復を果たす。そこに尽力したのは、時の内閣総理大臣・大隈重信であった。佐賀市内の公園には郷土の偉人として、江藤の像が建てられている。今日に連綿と受け継がれている佐賀の人々の思いとは?
【出演】
解説:伊東潤(歴史作家)
進行:中西悠理(キャスター)
明治初期に日本の司法制度を整備した江藤新平の敗北から明日を生きるための教訓を探る。1834年、佐賀藩の下級武士の家に生まれた江藤は藩校・弘道館で大隈重信らに出会い、国家を論じる。江戸幕府が倒れ、明治新政府の一員となった江藤は四民平等を目指して奔走。司法省を設立し、司法卿に就任すると、全国に裁判所を設置し、検事や判事などの職務を定め、誰もが公平な裁きを受けられるよう、司法制度を構築した。
ところが、1873年、征韓論をめぐり、政権の中枢にいた大久保利通らと対立。江藤は政府を去り、日本初の政治政党を立ち上げる。そんな江藤を政府は危険人物と見なし、佐賀に鎮圧部隊を派遣。江藤は佐賀の乱を起こして戦うが、政府軍の圧倒的な戦力に敵わず、敗北。刑場の露と消えてしまう。江藤は明晰な頭脳を持ちながら、なぜ、佐賀の乱の首謀者となり、政府と戦うことになってしまったのか?
志半ばでこの世を去った江藤に対し、同郷の士・大隈重信はこんな言葉を残している。「江藤を失った国家は更に甚大なる損害であり、不幸であった」。1916年、江藤は明治政府時代に与えられていた正四位を追贈され、ようやく名誉回復を果たす。そこに尽力したのは、時の内閣総理大臣・大隈重信であった。佐賀市内の公園には郷土の偉人として、江藤の像が建てられている。今日に連綿と受け継がれている佐賀の人々の思いとは?
【出演】
解説:伊東潤(歴史作家)
進行:中西悠理(キャスター)